【宿屋塾】@ZOOM 「なぜ、DMOはホテル・旅館主導であるべきなのか? ~日本経済の太い柱としての観光産業育成のために宿泊産業の果たすべき役割」

Bayashi TV

講師:セントラルフロリダ大学ローゼン
・ホスピタリティ経営学部 准教授
一橋大学大学院商学研究科特任教授、
      京都大学経営管理大学院客員教授兼務 原忠之 氏

コロナ禍で、どれほど観光が制限されようが、長い目で見たら日本にとって観光は、なにがなんでも太い柱にしていかなければならない産業です。20世紀までの日本は、モノを作って外国に売って外貨を獲得してきました。また、経済は8割方日本国内で回って成り立っていました。ところが、製造業は国際競争力の低下により(株)日本国の売上を伸ばせず、「人口減少」は国内経済を鈍化させているのです。それを補うのが「インバウンド需要による観光収入による外貨獲得」です。

2018年時点での日本の輸出総額は81兆円であり、最大品目である自動車は約12兆円です。モノの移動が伴わない貿易と言える訪日客の国内消費額は、2019年現在4.8兆円ですが、政府は2030年までに15兆円にするという目標を掲げており、そうなると、自動車を抜いて、日本経済をけん引する最大の産業になります。名実ともに「観光立国」というわけです。

この未来を実現するには、訪日客が主要都市観光だけで終わらず、地方を訪問し、宿泊し、食事や文化やアクティビティを楽しんで地域で消費をしてもらう仕組みが必要です。日本全国津々浦々の地域に訪日客が訪れて消費し、経済が活性化することこそ、少子高齢化の日本の未来を支えるシナリオなのです。そのけん引役としてDMO(Destination marketing organization、観光地域づくり法人)が注目されているのです。

原先生は、「DMOが日本中で上手く機能するな らば、観光立国数値目標はクリアできます」と語ります。そして、宿泊事業者主導のDMOが地方行政において発言権を強化することができれば「オーバーツーリズム」問題も解決することができる、つまり「観光収入アップと地域住民の豊かな生活の両立」ができると言います。そのためには、「地域の包括的経営は市町村首長(市長など)が担当するが、観光地としての観光地経営は宿泊産業界のリーダーシップに権限委譲するから、そのために非営利団体のDMOを作って、地方特別税ベースの資金も確保するから、宿泊業界がリーダーシップ取ってやってほしい」と言う高い目線で、自分の地域の観光産業(輸送業、小売業、飲食業、及び関連業)を牽引して行くという業務が宿泊産業界に求められるのです。
ホテル・旅館業界のみなさまは、自社の経営・運営に留まらず、これからは、地域観光経済の担い手として、地域の中心にいるべきなのす。

今回は、「日本版DMO」実現に向けて、 ファンディング(資金調達)、ガバナンス、マーケティング、人材育成という4つの重要な部分について、世界の最良なDMOモデルを紹介いただきながら、真の意味での我が国の「観光立国実現」を、グローバルな舞台で観光を研究されている原先生とともに考えたいと思います。持続性あるファンデイング(資金調達)手法確立という条件が先日日本版DMOに追加されましたが、この条件について日本では国内先例も教科書も無い状態であり、これを40年間成功裏に継続している米国観光地のDMOの手法を現地在住の専門博士研究者から聞ける機会は今後DMOに関与する人達には有益な情報が得られます。

【こんな内容です】

●日本が観光を産業として奨励する目的
●日本人の観光消費と訪日客の観光消費は意味が全く違う
●観光という意味での日本のキャパシティ
●米国DMOの成功事例に学ぶ
●観光客開発税という名のホテル税
●DMO、MICE、IRの関係
●DMOのガバナンス
●DMOのマーケティング
●DMOの人材育成
●これからの宿泊事業者に望むこと

【こんな人におススメです!】

●ホテル・旅館の経営者
●ホテル・旅館の従事者
●地方の外貨獲得輸出産業であるインバウンド客誘致でリーダーシップを発揮したい人
●観光協会や旅行代理店の業務世界で通用するDMO運営の相違点を理解し、ビジネス機会に繋げたい人
●観光・ホスピタリティを学んでいる人
●観光が支える日本の未来に希望を見出したい人どなたでも
●今後、宿泊産業を代表し地域経済を観光で牽引する計画を作る気概のある人

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