昭和40年代以降、順調にシェアを拡大してきた八代地方のイグサですが、その後2つの大きな試練が訪れます。1つはライフスタイルの変化に伴う畳需要の減少。平成以降、日本の住居は西洋化が加速しフローリングが急増、最盛期には年間4000万畳の需要があった畳市場は、現在その3分の1以下に減少したといわれます。
そしてもう1つは安価な中国産イグサの台頭。元々中国には畳を敷く文化はなく、イグサ栽培は日本の商社や企業が持ち込んだもの。水田二毛作の裏作として瞬く間に生産が拡大し、安価な中国産が日本にも入ってくるようになりました。
しかし、米生産に支障がない範囲で栽培しているせいで、成長しきらないうちに刈り取るなど、その品質は日本産に到底及びません。日本の伝統文化である畳とイグサを守ろうと、産地では様々な挑戦に取り組んでおり、本作で紹介しているイグサ生産者と畳店主の交流などもそうした活動の一つです。
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