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✍ ■軒並み大ヒット中のS・キング原作映画の中でもかなりホラーな仕上がり! 『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』『ドクター・スリープ』と、スティーヴン・キング原作のホラー小説が次々と映画化されていますが、その最新作が『ペット・セメタリー』(2019年)です。僕個人の意見としては、この3作の中では、最もホラー映画として仕上がっていました。 1983年に出版された原作小説は「ペット・セマタリー」というタイトルでした。<ペットのお墓=セメタリー>が重要な場所で、正しいスペルは“Cemetery”ですが、この物語では子どもたちが誤字(綴りをミス)った“Pet Sematary”という看板を掲げているという設定で、そのため原作小説はわざと「Pet Sematary」というタイトルになっています。 翻訳本は、そのニュアンスを活かした「ペット・セマタリー」となっていますが、1989年に映画化された時は邦題『ペット・セメタリー』で、今回のリメイク版も『ペット・セメタリー』となっています。 ■絶妙な原作改変によってフレッシュな恐怖の醸成に成功! 米メイン州の田舎町の森の中。子どもたちがペットを埋葬するお墓の奥には、死体を埋めると蘇る神秘の場所があった。愛する娘を失ったある父親が、そこに死体を埋める。その子は蘇るが、以前の娘とはどこかが違っていた……。 蘇った死者の恐怖というのはホラーの1パターンですが、この物語の本当の怖さとは、「愛する者を失うことの恐れ」、そして「禁断の力を借りてでも愛する者を蘇らせる」という選択を自分もするのではないか? 自分がその立場に置かれたらどうするだろう? 的な不安そのものなのです。 したがって、物語としてはじっくり心に沁みてきますが、怪物が派手に暴れまわる『IT/イット THE END』、超能力バトルの『ドクター・スリープ』に比べ、映画的にちょっと地味……と思ったら、これがしっかり怖い映画になっていました。実は原作を少し変えて、“幼い男の子”ではなく“少女である姉”が不慮の事故で亡くなり、その子が蘇るとしたのです。 前半は、娘を蘇らせるかどうか悩む父親の葛藤(これは本当に身につまされる)、後半はホラー少女が起こす、たたみかけるようなホラーになります。 ■S・キング原作映画は今後も続々公開予定! 『 …
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